海なし県埼玉で生まれ育ったわたしは川遊びに熱中する少年時代を過ごしました。水辺の生物に魅かれ、大学で水産学を学び、海洋調査会社に勤めました。調査員として日本中の海を巡りましたが、誰もが一様に口をそろえていいました「昔の海は良かった」と・・・。

本来あるべき海の姿をもとめ、会社を辞めてニュージーランドへ渡りました。海を愛する人々によって認定された広大な海洋保護区「マリンリザーブ」の海中には海藻が生い繁り、無数の大きな魚達が悠々と泳いでいました。その素晴らしい海に暮らす一匹のタツノオトシゴとの出合いをきっかけに養殖への取り組みが始まりました。

海外では乱獲によるタツノオトシゴの減少が危惧されていますが、漁をおこなっていない日本でも藻場消失などの生態系破壊によってタツノオトシゴは姿を失いつつあります。
「タツノオトシゴが暮らせる豊かな海づくり」を合言葉に子供たちと一緒に活動を進めています。


タツノオトシゴ養殖家 加藤紳

活 動 案 内


番所鼻いきものガイド
2016年に南九州市の魚類図鑑を発行しました。

2011年より番所鼻自然公園の海岸や沿岸に生息する
生物の調査をおこなっています。

これまでに200種以上の動植物を観察し、
写真や結果をご案内していきます。
自由研究などにもお役立てください。

今後の公園周辺の保全活動を通じて
生物相の変化などにも注目していきます。

番所鼻の魚類

写真撮影
岩坪洸樹
石井未希子


海の池 サンゴ増殖プロジェクト

番所鼻自然公園の地表はおよそ10万年前の
阿多火砕流によって形成されたといわれています。
通称「海の池」と呼ばれる環状プールは全国的にも希少な地形で、
干潮時には広く露出する「竜宮の道」を
歩いて一周することができます。
当地は台風が頻繁に通過する東シナ海に面しますが、
海の池の内部は竜宮の道の防波作用によって荒波から守られ、
サンゴが生息しやすい環境となっています。
2011年より海の池でサンゴ増殖活動に取り組んでいます。


番所鼻の魚類
タツノオトシゴハウスのある番所鼻自然公園前に
生息する魚種の調査を実施しています。

2012年8月4日~2013年11月4日までの期間で
37科70属105種の魚類を採集し、標本として記録しました。

そのうち、アマクサヨウジやミサキスジハゼは
国内生息地の南限記録を更新しました。

また、クロオビエビスやセグロチョウチョウウオなど
13種について鹿児島本土で初めて生息が記録されました
(これらは標本としての記録に基づくものです)。

本調査は岩坪洸樹氏とタツノオトシゴハウスが、
NPOおこそ会、南九州市水産振興会、かいえい漁協の
協力を得て進めています。

調査結果は論文として、
カゴシマネイチャー40号に記載されています。
今後もさらなる多様な魚たちの発見が期待され、
引き続き成果を発表していきます。

全ての魚類標本は
鹿児島大学総合研究博物館に保管されています。


魚類マップをPDFファイルで開くことができます

こちらから論文をご覧いただくことができます   
   
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